Gi外科クリニック
脱腸の日帰り手術が1千例に
昨年度は424例の実績

2018年05月10日号

岡大病院の非常勤講師に

SILS―TEP法手術の風景

 外科のGi外科クリニック(岡山市北区中仙道2―7―25、池田義博院長、電086・241・2100)は鼠径(そけい)ヘルニア(脱腸)の日帰り手術が15年4月の開院以来、1千例超となったと発表した。スタッフ教育もあって日に3回の手術に対応することが奏功した。
 鼠径ヘルニア(脱腸)は腸が腹壁の弱い部分から皮下へ脱出する病気で、40―60歳代の男性が多く罹るとされる。初期段階では楽観視する傾向にあるが、長期化すれば、腫れた部分が筋肉で締め付けられ硬化し、押しても元の状態に戻らず腸が壊死し腸の切除が必要となる。
 同クリニックの池田院長が施術する手術法・SILS―TEP法は、臍部分を切開し、腹膜と皮膚の間にスペースを設け、その部分にメッシュを入れる。腹内に入らないことで患者の身体的負担も少なく、手術時間も約1時間で、再発率も従来主流の手術法(5%)に比べ、0・2%にした。
 開院初年度は133例、翌年は324、17年度は424例と高い技術力が認知され毎年増加。クリニックの取り組みを他医療機関に発信する「Giサージカルニュース」なども奏功した。池田院長は「脱腸は年間40―50万人が発症し男性の3人に1人が罹るとされる。手術件数が1千例を超え、さらに1人でも多くの人に日帰り手術を利用してもらい日常生活を助けたい」と話した。
 また、池田院長は4月から岡山大学病院消化管外科非常勤講師に就任し、ヘルニア外来を担当している。