岡山理科大学
工学部バイオ・応用化学科
准教授 山本俊政さん
2018年05月10日号
農村でも魚の養殖が可能に
やまもととしまさ(59)
岡山市北区理大町1―1
電086・228・4303
岡山理科大学(柳澤康信学長)の工学部バイオ・応用化学科で自身が開発した人工の海水「好適環境水」を使った養殖研究を実施している。既報の通り、クロマグロの養殖を本格化するなど活動は全国から注目を浴びている。山本准教授は「好適環境水を活用すれば農村など水の無い場所でも魚の養殖が出来る。次世代に残せる技術確立を急ぎたい」と話した。
好適環境水は魚の浸透圧調整に関わるナトリウム、カリウム、カルシウムの3つの成分のわずかな濃度の電解質を淡水に加える人工の海水で11年12月に室内養殖したトラフグを出荷したのを皮切りにヒラメやクエ、フグ、ウナギなどを出荷。出荷商材はいずれも「理大」の商品名を付け大学の研究をアピールしている。
3月には養殖に成功した中南米東太平洋原産のバナメイエビを東京都日本橋の三越日本橋本店に出荷。4月9日から一週間は岡山市の天満屋岡山店でも販売した。山本准教授は「好適環境水を使った室内養殖は海水飼育と異なり寄生虫や病気の問題も少ない。バナメイエビは手軽に調理できる魚介類として広く研究成果をアピールできる」と話した。
プロフィール
岡山市出身。三井金属総合研究所研究員、岡山理科大学専門学校アクアリウム学科長を経て09年に入職。趣味はスキューバダイビング、水中写真など。座右の銘は「人生は一冊の問題集だ!解けない問題はない!」。