グリーンツール
自動車産業から受注増
切削工具の再研削で国内トップ

2022年03月01日号

製造現場で女性登用進む

新規で導入した工作機械

  切削工具再研削・製造のグリーンツール㈱(笠岡市みの越17、藤原雅義社長、電0865・63・3325)は、ドリル用CNC工具研削盤など生産設備を更新した。自動車産業からの切削工具再研削の受注増に対応。切削工具の再研削では国内トップシェアで、技術力を生かし自社製切削工具の開発にも力を入れる。

  自動車や航空機、建設機械メーカー向けに工作機械に取り付ける切削工具の再研削が主力。日に4―5千本の工具再研削に対応し、自社でコーティング処理した上での2週間の短納期が受け、受注を伸ばしている。昨年12月、今年1月の設備投資では、ドリルやボールエンドミル、スクエアエンドミルの再研削用途としてCNC工具研削盤を6台導入。投資額は1億5千万円規模。

新規で導入した工作機械を操作する女性社員ら

  再研削で高い技術力を持つこともあり、自社製品の開発にも力を入れる。既に展開する「GTシリーズ」に加え、難削材の表面を鏡のように高精度に仕上げられる工具「Dream Finish」を開発。昨秋、展示会で発表した。

 新型コロナウイルスの感染拡大で昨期は受注が減少したが、自動車産業など取引先からの受注拡大を受け、受注が戻り、新卒など人材採用も進める。切削工具製造では仕上げ作業の一つ・研磨や点検など細かい作業があり、女性が活躍できる仕事が多いため、従業員201人の内75人が女性だ。現在の女性比率は35%だが、藤原専務の取り組みにより、産休や育休制度などの職場環境も整え、将来的には女性比率65%を目指す。

社屋

  2022年5月期は3億円増収の売上高16億円の見込み。製造人員にはベトナム人も多く、藤原社長(81)は「ベトナムのほか、中国やインドネシアといった東・東南アジアにも顧客があり、今後は海外生産拠点の開設も模索する」と話した。

  同社は1978年4月設立。資本金8千万円。売上高は約13億円(21年5月期)。