宝和ホールディングス
ダブル連結トラック2台導入
SDGs宣言策定

2022年03月20日号

中国銀行が1億円融資

 福山通運㈱が2017年に日本で初めて導入したことで話題になった、トラック1台で通常の2台分の輸送を可能にする「ダブル連結トラック」を、同じ福山の宝和ホールディングスグループ(福山市一文字町、藤本健代表、電084・954・9465)の宝和運輸㈱がこのほど2台導入した=写真はその1台。3月後半からの運行を目指す。

 ダブル連結トラックはドライバー不足解消面がクローズアップされがちだが、輸送量に対して通常のトラックより二酸化炭素排出量が少ないことも大きなメリットだ。導入にあたり、同ホールディングスは中国銀行(本店=岡山市北区、加藤貞則頭取)が環境負荷軽減寄与による持続可能な取り組みに対して融資を行う「ちゅうぎんサスティナビリティ・リンク・ローン」を活用。1億円を借り入れた。

融資の盾を受け取る藤本代表(左から二人目)

 今回導入したのは、通常のトラックの2台分を1人で運べ、2台分の二酸化炭素排出量に対して63%削減できる(輸送距離と燃費から同ホールディングス算定)「センターアクスル型フルトレーラー」(全長21m)。連結トラックは牽引免許があれば運転できるが、後退時の運転操作には習熟が必要で、特定の道路以外で走行できないこともあり、中小企業の導入は全国的にまれという。同トレーラーを積極的に運行することで、走行道路の規制緩和と連結トラックの普及につながることにも期待する。訓練が必要とされる同トレーラーの運転を希望するドライバーを社内で募ったところ、若手を中心に多数応募があり、牽引免許取得支援など人材育成にも力を入れていく考えだ。

トラックの後方

 また、ちゅうぎんサスティナビリティ・リンク・ローンは、顧客が設定したSDGsやESGに関連する企業目標の達成状況に応じて金利が変動する仕組みの商品で、同トレーラーの運行のほか、低排出ガス車両への積極的な代替、エコドライブの徹底などを通して25年までに毎年売上高に対して二酸化炭素を1・5%削減する目標を設定した。併せて、中国銀行のサポートでSDGs宣言を策定。同トレーラーにSDGsのデザインラッピング(デザイン=㈱ロポロデザインクリエーション)を施して環境保全をPRしていく。

 運送事業本部尾道営業所・松本治孝所長の話「『今できる、未来のために』をスローガンに掲げ、環境保全や地域貢献活動を通じて持続可能な社会の実現に努めてまいります」。