オーケストラ福山定期
同定期、市立大教員の「対話型
音楽鑑賞経験プログラム」と連携
2026年03月10日号
中高生や大学生を対象に実施

「オーケストラ福山定期」鑑賞後に対話するIMAEPの参加者
既報の通り、〔公財〕ふくやま芸術文化財団(豊田泰久理事長)が運営する「ふくやま芸術文化ホール『リーデンローズ』」(福山市松浜町2―1―10、作田忠司館長、電084・928・1800)は、〔一財〕地域創造から「令和7年度 地域創造大賞(総務大臣賞)」に選ばれた。受賞理由の一つに2024年から行っている広島交響楽団(広響)と京都市交響楽団(京響)の「オーケストラ福山定期」に福山・府中地域の全中学2年生を無料招待するなど、「音楽による地域づくり」に貢献したことが高く評価されたことだが、もう一つ注目されるのが、同定期と福山市立大学(同市港町2-19-1、佐藤利行学長、電同999・1111)の教員が行った研究との連携によって生まれた「対話型音楽鑑賞経験プログラム(IMAEP)withオーケストラ福山定期」だ。(西原 洋)
福山市立大の古山教授と
国立音大の瀧川教授が主催
同プログラムは初めての取り組みで、中高生や大学生を対象に中高生や大学生を対象に「さまざまな音楽経験を有する人たちが共に音楽鑑賞し、対話を通じて音楽の感じ方や聴き方を拡張してもらう」のがねらい。主催は福山市立大学教育学部の古山典子教授と、国立音楽大学音楽学部の瀧川 淳教授で、第1回目のプログラムは、2月7日の広響演奏会(クリスティアン・アルミンク指揮)に先立って、同日の午前10時から福山市立大学の音楽室で行われた。
IMAEPでは音楽家を毎回参加者として招いているが、今回はオーボエ奏者で、リーデンローズ登録アーティストの沖恵さんがゲスト参加。当日演奏されるヨハン・シュトラウスⅡ世の作品から3曲を取り上げ、「ダンスの音楽(音楽と身体性)」「情景を表す音楽」をテーマに、鑑賞と対話を繰り返す取り組みが行われた。初回の当日には、福山定期を企画した世界的な音響設計家である豊田理事長も来訪し、「感受性の豊かな若い人に生の音楽の良さを直に感じてほしい」と強く要望した。
参加者はIMAEPが行われた後に、リーデンローズで定期演奏会を鑑賞し、演奏終了後にはホワイエに再び集まり、対話を行った。ある参加者からは「対話を重ねる中で、自分の中にはなかった発想に出会い、それを意識して聴いてみようとする姿勢が自然と生まれた。そうした体験を通して、鑑賞の幅が広がり、自分自身の価値観が広がったことを実感した」という声が寄せられた。
古山教授は今回の取組みについて次のようにコメントしている。
「これまで数年にわたり、小学校教師の方々を対象にしてIMAEPを開発・実証してきました。IMAEPと、『オーケストラ福山定期』の連携によって、対話で音楽の聴き方・感じ方を広げたあとに、実際に生の音楽をリーデンローズで聴くという有機的な連関を実現できることになりました。今回の連携を通して、芸術文化の担い手となる若い人がホールに足を運び、生の演奏を楽しむための一助となれば、と思っております」
「福山市には素晴らしい音響のリーデンローズがあり、高い水準のプロオーケストラの響きを定期的に経験できるという極めて恵まれた環境が整っていること、福山市が優れた音楽文化都市となるポテンシャルを有していることを、市民の皆さんにはもちろん、全国に知っていただきたい、と考えております」
今後のIMAEPのプログラムは4月19日の広響、11月23日の京響、来年1月24日の広響演奏会開催に合わせて行われる計画で、参加募集は、福山市立大学や、リーデンローズのホームページなどで告知される。問い合わせは古山教授のメール(n-koyama@fcu.ac.jp)へ。参加者はU30のチケット(広響2千円、京響3千円)の購入が必要。
11月に指揮・沖澤のどか、
ヴァイオリン・五嶋みどり協演

「オーケストラ福山定期2026」のポスター
来年3月までの「オーケストラ福山定期2026」は6公演あり、うち4公演には中学生が無料招待される。目玉は11月に開かれる京響の定期で、世界的に評価の高い同響の常任指揮者・沖澤のどかと、世界トップのヴァイオリニスト・五嶋みどりが協演する。プログラムは次の通り。
【Vol.13広響】4月19日〔日〕午後3時、指揮:ジョシュア・タン、ソリスト:ミシュカ=ラシュディ・モーメン(ピアノ)▽曲目=ヴォーン=ウィリアムズ:ソレント海峡、同:ピアノ協奏曲、バックス:交響曲第6番▽料金=S席6千円(ペア1万800円)、A席5千円(同9千円)、B席4千円(同7200円) U30(B席)2千円▽翌20日〔月〕午後2時から中学生招待公演。
【Vol.14京響】6月21日〔日〕午後4時、指揮:アレナ・フロン、ソリスト:阪田知樹(ピアノ)▽曲目=ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」、同:ピアノ協奏曲、同:交響曲 第7番▽料金=S席6500円(ペア1万1700円)、A席5500円(同9900円)、B席4500円(同8100円)、U30(B席)2250円▽翌22日〔月〕午後2時から中学生招待公演。
【Vol.15京響】10月12日〔月・祝〕午後4時、指揮:上岡敏之▽曲目=ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」より「前奏曲」「愛の死」、ブルックナー:交響曲 第6番 ▽料金=S席6500円(ペア1万1700円)、A席5500円(同9900円)、B席4500円(同8100円)、U30(B席)2250円▽翌13日〔火〕午後2時から中学生招待公演。
【Vol.16京響】11月23日〔月・祝〕午後4時、指揮:沖澤のどか、ソリスト:五嶋みどり(ヴァイオリン)▽曲目=バーンスタイン:キャンディード序曲、ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲 第1番、F.プライス:交響曲第1番(福山初演)▽S席9千円(ペア1万6200円)、A席7500円(同1万3500円)、B席6千円(同1万800円)、U30(B席)3千円。
【Vol.17広響】1月24日〔日〕午後3時、指揮:クリスティアン・アルミンク(広響音楽監督)、ソリスト:エディクソン・ルイス(コントラバス)▽曲目=スーク:管弦楽組曲「おとぎ話」、細川俊夫(広響コンポーザー・イン・レジデンス):コントラバス協奏曲、ヤナーチェク:歌劇「死者の家から」組曲▽料金S席6千円(ペア1万800円)、A席5千円(同9千円)、B席4千円(同7200円)、U30(B席)2千円▽翌25日〔月〕午後2時中学生招待公演。
【Vol.18広響】3月7日〔日〕午後3時、指揮:川瀬賢太郎、ソリスト:小曽根 真(ピアノ)▽曲目=シューマン:交響曲 第3番「ライン」、小曽根真:ピアノ協奏曲「もがみ」(福山初演)▽料金=S席6千円(ペア1万800円)、A席5千円(同9千円)、B席4千円(同7200円)、U30(B席)2千円。
チケットは、リーデンローズチケットセンター(電同928・1810)のほか、オンラインで求めることができ、割引となる全6公演定期と前・後期会員券も発売中。