HIROPRO
ベトナム国営企業と提携
日本映画や音楽などを配信
2015年02月20日号
ITコンサル、ゲーム開発などの㈱HIROPRO(成広通義社長)は7月を目途にベトナムで日本の漫画や音楽、映画などの配信サイトを開設する計画だ。このほど、ベトナムの国営企業ハネルグループの企業と契約を締結、ベトナム国内で共同でコンテンツを配信していく。成広社長(60)は「ベトナムは親日感情が強く、需要が期待できる。ベトナムを起点に将来的には合弁会社を設立し、タイなどのASEAN諸国に向け、クロスメディア事業を展開したい」と展望を語った。
1月16日に、HIROPROの成広社長とハネルグループのハネルソフトウェアソリューションズ㈱のグエン・クアン・ミン取締役会長が契約を締結した。両社は共同で7月を目途に、日本の音楽やゲーム、アニメの配信やグッズ販売サイトを開設する。ベトナムでは海賊版が出回っており、公式の商材として需要が見込める。
ベトナムではスマートフォンや携帯端末の普及が好調で、18―30歳代を対象に、HIROPROでは初年度は100万人、3年後には300万人、5年後には500万人の利用会員を見込む。
成広社長は「音楽や漫画、映画が1つのサイトで配信するのは初めてのサービス。ベトナム事業を軌道に乗せ、16年12月には国内での上場を目指したい」と抱負を語った。
スマホ用アプリ開発が主力
同社は2012年5月設立。資本金7千万円、従業員は23人。岡山本社と東京都渋谷区に東京支社を、昨年9月にはベトナム・ハノイ市にベトナム駐在員事務所を開設した。主力はスマホ用アプリ作成サービスで、近年では芸能事務所にも販路を構築。年商は今年4月期で3億円規模を見込む。
同社では国内に軸足を置きながら、海外戦略も推進する考えで、ベトナム駐在員事務所には日本人1人とベトナム人1人を置き、7月開設のサイトの準備のほか、国内でのアプリ開発の技術のフォローを手掛ける。
さらにASEAN諸国のミャンマーやタイ、インドネシアは親日感情も強く、ベトナムを軌道に乗せ、合弁会社を設立し、クロスメディア事業での進出も見据える。ベトナムでのコンテンツ事業は同国で4月からプロモーションを開始し、開設月にはホーチミン市の商業施設で、日本の芸能人を呼び、オープニングイベントを催す計画だ。
成広社長は「ベトナムでのコンテンツサイトでは日系企業からバナー広告を募るなど、収益力強化を図る。ベトナムの国営企業からは農業や食育、道徳をテーマにした教育的コンテンツの配信の要望もあり、日本国内の大手プロダクションと連携し、自社コンテンツの配信にも着手したい。弊社は国内の芸能事務所ともパイプがあり、エンターテイメント関連事業と海外事業を基軸に近い将来、年商100億円を目指したい」と展望を語った。
㈱HIROPRO
岡山市北区大供2―2―3・1階
電086・212・0077