岡山第一ビデオ・アイデアル
ベトナムで公開し映画化目指す
中川秀彦著「艦隊は動かず」

2018年05月10日号

短編動画を制作し映画化目指す

 インターネット映像事業や合成動画を手掛けるアイデアル㈱(福山市引野町4-1-8、徳永明彦COO、電084・961・3339)とウェディング関連商品を中心としたビデオ撮影映像制作の岡山第一ビデオ㈱(岡山市北区南方3-8―39SRビル、徳永明彦社長、電086・803・8777)とはこのほど、小説「艦隊は動かず ベトナムから日本への贈り物」のショートムービー(ベトナム語の字幕入)を制作した=写真上。来年8月に建設されるベトナムの「日本村」で流される予定だ。これを機に日越友好を深め、映画化への足がかりとしたい考えだという。
 同書=写真中=は、日本とベトナムとの“教科書には書かれない史実”に基づいた時代小説。作者は中川秀彦さん(55)=写真下左、右は徳永社長=で、日越投資コンサルタントであり、越日専門学校の創設をはじめベトナムと日本との国際交流に長く携わっている。新書版393pで、発行は㈱牧歌舎(東京都)、発売は㈱星雲社(同)。税別1600円。17年5月27日に初版本が発行された。
 それより112年前の同日、対馬海峡沖で行われた「日本海海戦」で日本海軍はロシアのバルチック艦隊を殲滅し、世界列強の仲間入りを果たした。当時世界最強と謳われた同艦隊が撃破された背景には、遠路の航海の疲れもあったが、最後の寄港地となったベトナムで、同国の人達が作業の遅延や劣悪な石炭を積み込むなどの妨害行為を働いたことも大きかった―と中川さんは推察する。13年前に一家で渡越し、以来断片的に伝わっている証言を丁寧に拾い集め、フィクションとして小説化した。中川さんは「日本人の一人として、歴史に埋もれてしまった110年前のベトナム人に恩返ししたい―とこの本を書き上げました。映像化が実現できれば嬉しいです」と話す。
 「日本村」は、ベトナムのリゾート地として開発が進んでいるニャチャンで建設を計画している。日本家屋や屋台、神社、資料館などのほか、ホテルや旅館なども造られるという。同町はベトナム人観光客がまだ多く、観光の穴場として中国 香港 韓国からの旅行客を中心に注目を集め始めている。
 徳永社長(42)は「弊社は昭和陸運㈱(荒木栄作CEO)を中核とするSRホールディングス㈱のグループ企業で、半世紀以上の歴史を持つ映像制作プロダクション(株)山陽エイブイシー(電086・803・5550)もグループの一員です。3社がそれぞれの持ち味を発揮して、全国放送のロケ番組や、映画並みの完成度が要求される動画などにも取り組んできました。また個人的にはかつて中川さんからアドバイスを頂いたことが、自分が映像産業を始めるきっかけとなっております。ベトナム人達がかつて日本を助けたという事実を知ってもらい、日本より遅れているという誤解をといて、勇気や誇りを持って欲しいとも聞かされました。映画化が、両国の絆を更に深めるきっかけになれば嬉しいです」と話す。