府中市長 小野申人さん
人口減を食い止めたい
子育てしやすい町目指す
2018年06月01日号
おの しんじ(61)
スポーツ施設で駅前開発
観光資源と産業の連携
4月22日に開かれた府中市長選挙で現職を破って初当選し、第9代府中市長となった。市議は4期16年務め、市議会議長も歴任。学生時代は陸上競技や野球に熱中するなどスポーツにも造詣が深い。市に活力と潤いを―と訴え、これからその手腕に期待が寄せられている。
―まず市長になられた感想を
「府中市は人口4万人を切るなど、危機感を抱えています。産業や農業、観光など手を付けていきたいことが山ほどあり、責任を痛感しています。議員でできなかったことを市長として頑張っていきます」
―投票率の低さが指摘されています
「争点がわかりづらかったという反省があります。政治への期待も薄い。市民の声をしっかりと聞くことをこれからもして参ります」
―政治家を志されたのは
「青年会議所の活動に加わり、まちづくりや地域の活性化に興味を持ちました。94年には理事長に就任。99年にPTA会長に就任した頃は同和教育が盛んな頃で、教育改革の必要性を痛感しました。02年に伊藤吉和元市長が出馬されるのを機に改革を進めたい―と市議に立候補しました」
―府中市の問題点は
「人口減を食い止めたい。特効薬はありませんが、市民になりたいと思っていただける行政サービスが急務です。コミュニティスクールや義務教育学校など、先進的な教育や子育て支援などをPRすると共に、3―5歳児の保育所保育料の無料化、また小中学校へのエアコン設置もしていきます。南北道も早く完成させたい。また府中市総合体育館TTCアリーナに隣接するB&Gのプールが老朽化しており、府中駅前・南口の開発と一緒にして市役所・道の駅近隣に移設し、総合的なスポーツ施設を設けます。プール跡地は芝生のサッカー場にします。3―4年内にはしたいですね」
―予算はどこから
「財政調整基金が40億円近くあります。それを過疎債や補助金などと合わせて有効に使います。老朽化した環境センターの建替えなど急務とされている事業もありますので、様々な資金調達のアイデアを練ります」
―今後について
「子育てしやすい町づくりを目指します。木育事業や出産祝い金、子どもの医療サービスは続けていきます。また福山市や尾道市など近隣地域とは、例えば自転車競技を通した連携事業を働きかけるなど、まずスポーツや文化事業を通して広域連携を深めていきます。そこから農業や産業も繋げて行ければ」「府中市には観光資源も多く、生かし切れていない素材は沢山あります。それを活用し、中小企業基本条例やDMOなど様々な資源と経済とを有機的に結びつけ、活力ある府中市にしていきたいです」。
▽府中市役所=府中市府川町315、電0847・43・7111
▽小野申人=1956年6月15日、福山市新市町出身。75年、誠之館高校卒、79年、横浜国立大学卒、旭化成㈱入社。81年、菊水㈱入社。02年より府中市議会議員(10年、14年、市議会議長)。18年5月2日より府中市長。