社名変更しSDGs,SBTけん引役に

みなみけんじ（48）

産業用太陽光発電システム専門工事店の㈱南瓦工房は11月１日、㈱エムケイソルテックに社名変更した。持続可能な社会を実現するために必要な再生可能エネルギーである太陽光発電を活用し、「自家消費型企業」に不可欠な提案を行っている。昨年６月に現在の場所へ移転し、完全独立型オフグリッドシステムのＰＶ（太陽光発電）ソルポートも展示している。

―太陽光発電を始めたのは

「個人事業として瓦屋根工事店『南瓦工房』を創業しました。当初太陽光パネルは住宅の屋根設置が主流のため２００８年に国内大手メーカーの設置資格を取得し、その後国内外のメーカー12社の施工資格を取得しました。その後、再生可能エネルギーの余剰電力の固定価格買取制度（ＦＩＴ制度）が始まり、施工依頼が多くなる中、太陽光発電システムについてパネル設置から高圧変電設備への接続方法などまで勉強し、現在は工事専門業者として、全国の主に工場や店舗、商業施設や学校など大型システム工事を施工しています」

―太陽光の魅力は

「太陽光は資源の少ない日本にとって、環境負荷が少なく未来の人々が安心して暮らせるために必要な資源です。自社でも広島・岡山県内を中心に全国67カ所に発電所（総発電出力７・６㎿）を設けています。今年３月には、中国銀行の支援で『ＳＢＴ認証』を取得しました。『パリ協定』に準ずる温室効果ガスの排出削減目標に従って、『カーボンニュートラル』や『脱炭素』、『気候変動対策』に貢献します」

―自家消費型企業とは

「自社で発電した電力は電力会社へ売らず全て自社で使います。電力費削減やＣＯ２排出抑制ができますし、節税や様々な補助金の対象になります。資本金１億円以下の中小企業で、従業員数１千人以下などの条件下であれば、同型発電の導入費用を１００％即時償却できる場合があります。詳しくはご相談ください」

―今後の展開について

「当社は10年前、多くのお客様からのご要望にお応えするため、一級建築士事務所ジオ・プラン㈱を設立しました。近年は特定建設業許可を取得し、大型案件や公共工事も含めた幅広い業務に対応できる体制を構築しており、一般、公共工事を問わず、あらゆる太陽光発電工事に対応可能な仕組みを整えております」

「ソルポートの開発においても、新しい技術や製品の探求を行い、建築申請や各種手続きなど、全てを自社で完結できる体制を実現しました。現在は新事務所に移転し、社員一同のモチベーション向上と技術力の研鑽を図り、他社を圧倒するクオリティのサービスを提供しております」

「広島や岡山といった地域は、地盤が堅固で災害が少なく、日照時間が長いことから、太陽光発電に最適な環境が整っています。今後も自社で10㎿の発電量を目指すとともに、企業様のＳＤＧｓやＳＢＴ（科学的根拠に基づく目標）への取り組みを支援する提案・システムの提供を続けてまいります。

▽㈱エムケイソルテック＝福山市千田町千田２１８８—１、電０８４・９８３・０３７３、https://minami-kawara.jp/

▽南憲治＝１９７６年５月、福山市生まれ。地元の高校を中退後、97年に藤井製瓦工業㈱（同市御幸町）へ入社。２０００年に独立し、瓦屋根工事店として南瓦工房創業。12年に法人化し、㈱南瓦工房設立。14年に一級建築士事務所ジオ・プラン㈱創設。23年６月に現在の場所へ移転。24年３月、ＳＢＴ認証取得。