福山友愛病院
若者の大麻検挙数が増加
教育機関での啓発を積極化

2025年07月10日号

興味本位での使用増える

大麻の使用を啓発する山中医局長

医療法人紘友会 福山友愛病院(福山市水呑町7302―2、末丸啓二理事長・院長、電084・956・2288)は、30歳未満の大麻事犯の検挙人員の増加を受け、SNS経由で他人からの大麻の勧誘を断るといった啓発活動を進めている。昨年12月の法改正で大麻施用(使用)は新たに罰則として7年以下の拘禁形が科され、また、うつ病といった精神障害を発症することもあり、教育機関や地域住民への出張講演での啓発活動を進める。

大麻は、ゲイトウエイドラッグとされ、30歳未満の若者がSNSの「X」やインスタグラムで「ヤサイ」「クサ」「リキッド」と検索すると、売人とつながり、興味本位で購入し、使用する傾向が見られている。2023年の大麻事犯の検挙人員は6703人で、そのうち、30歳未満の検挙人員は4887人と、2014年の745人と比較すると6・6倍に増加した。

大麻を一度使用すると、酩酊感や陶酔感を味わい、再び体験したいといった欲求から使用を繰り返す傾向があり、知覚の変化や運動失調を初期症状に精神障害やIQ(知能指数)の低下で、家族機能の障害や友人知人の喪失、失業につながると言う。

福山友愛病院では、法改正を受けて、教職員や支援員、地域住民や学生を対象に、大麻などの薬物依存症の危険性を啓発する出張講演を積極化させる。若者の間では、大麻を使用しないと仲間外れにされるといった心配もあるが、きっぱりと断る勇気を啓発していく。山中謙太朗医局長は「高校生や大学生がたばこの延長線上として、抵抗感なく使用するケースもあり、保護者にも啓発したい。人生の早い段階で大麻に対する正しい知識を持つことは、自らの将来を守るための一歩となる」と訴えた。