両備HD
イトーヨーカドー跡地有効活用
複合型施設「杜の街グレース」

2022年08月20日号

完成予想図

両備グループ(小嶋光信代表兼CEO)の主軸をなす両備ホールディングス㈱(岡山市北区下石井2―10―12杜の街グレースオフィススクエア5階、松田敏之社長・グループプレジデント)は元イトーヨーカドー跡地に複合型施設「杜の街グレース」を建設。2021年7月より段階的に開業してきたが、商業・ヘルスケア施設棟「杜の街プラザ」と「杜の街グレースオフィススクエア」の1階、「杜の街グレース店舗棟」の1・2階が9月23日〔金、祝〕にグランドオープンする。岡山県内で3指に入る駅前再開発事業の今後を紹介する。(山田富夫)

地域密着の都市型小型食品スーパーマーケット「森のマルシェ グレース店」が7月31日、店舗棟1階にグランドオープンした。開場に先立ち、挨拶に立った松田社長は「この町のコンセプトは、〝住む人、働く人、訪れる人がとびきり幸せである街〟です。地方に住みながら、(都会に住むのと変わらないくらい)便利で、地方の魅力がぐっと詰まった街にしてきたい。岡山の魅力を再確認して頂き、岡山や瀬戸内をもっと好きになって貰い、自信を持って発信していって貰いたい。岡山や瀬戸内が、世界から注目されるようになれば」と挨拶。活気あふれる空間の創出と岡山の新たな拠点として、魅力あるまちづくりに貢献することを訴えた。

好立地に5棟のビルが完成

森のマルシェグレース店開業式

岡山駅から徒歩12分で、岡山市役所にも近接する好立地。敷地面積は、第1期分が1・6㏊(総計3・8㏊)で、駐車台数は400台(敷地内商業棟用駐車場、地上6階)。

同所には現在5棟のビルが建ち並んでいる。杜の街プラザは鉄骨造6階建てで、延べ床は1万0987・66㎡。営業時間は午前11時―午後9時の予定。オフィススクエアは鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造、地上10階地下1階で、延べ床は2万3818㎡、機械式立体駐車場に100台が駐車できる(21年7月開所)。店舗棟は鉄骨造地上3階建、延床面積2142㎡。岡山最高層137mの超高層マンション「岡山ザ・タワー」は鉄筋コンクリート造一部鉄骨造地上37階地下1階で、延べ床は約5万2千㎡(21年11月竣工)。総工費は300億円。

店舗棟3階に2月28日、杜の街ピクニックテラスがオープンし、4月にはオフィススクエア2階に企業主導型保育施設「ドルフィン・グレース こども園 杜の街」が開園。今後、9月23日には店舗棟内で19店舗がオープンし、23年春には杜の街プラザ3・4階にスパ&フィットネスエリアも開業する予定。

飲食や雑貨のほか医療も

杜の街プラザ

商業エリアの中心・杜の街プラザの目玉となるのが、岡山の魅力を結集した大型フードホール(約2800㎡)で、ピザ、ハンバーガー、カフェ、バーなど13店舗が入る。「他にはない、この地ならではの独創性のある空間」をキーワードに、瀬戸内の〝凪〟を表現した奥行き約70mの波形の天井や岡山デニムを使用したチェアなど自然や特産品に着想を得たデザインで、国内外へ岡山・瀬戸内の魅力を発信できるフォトジェニックな空間に仕上げている。

「岡山発グルメ」として、以下の店舗がグランドオープンに合わせて開業する予定。飲食店・食品販売では、豆と餅(豆腐料理・和菓子)、TAKOYAKI BAR REEF(たこ焼き)、400℃(ピザ)、福幸(中華)、ラコスバーガーグレース(ハンバーガー)、麺屋3・5(ラーメン)、たまうどん(うどん)、鷹取醤油(調味料・ソフトクリーム)。カフェ・バーではSINCERE GARDEN OKAYAMA(カフェ・コスメ物販)、727ISLANDS COFFEE BAR(バー)。また、オフィススクエア1階には、中四国地方初出店のグローサリー&ベーカリーとしてDEAN&DELUCAがオープン。なお、10月下旬にはアパレルショップとしてBRIEFING(バッグ・ゴルフグッズ・ゴルフアパレル)が出店する予定。

ほか、〝便利で快適な暮らしをサポートするデイリーショップ〟として、7月28日に先行オープンした森のマルシェ グレース店(スーパー)に続き、9月23日にGarden M(フラワーショップ)、くらしのギャラリー(生活雑貨)、Can Do(100円ショップ)が、また、〝健康な暮らしをサポートするクリニックモール〟として脳神経外科が、さらに10月3日〔月〕には杜の街グレース歯科が開業する。

緑多く癒しの空間を演出

地域の憩いの場を創出するというテーマから、杜の街プラザ南側に設えたグルリーンアベニューとオフィススクエア東側を中心に〝多様性のある杜〟をキーワードとし多種多様な植物を植え、歩いて行く先々に豊かな緑が広がっているという演出を行っている。花や葉、香りや色、形も楽しめるよう、悪影響を及ぼさない外来種なども含めて約1千種の品種を採用している。「岡山の自然を尊重しながら、新しい自然を取り入れたランドスケープ」にしており、通勤通学時や休憩時間、帰り道などで日本の四季を感じて貰える安らぎと癒しの空間になることを目指しているという。

グリーンアベニュー

まとめ

同社は1911年に創立して以来、地域の交通や情報インフラを支え、地域に密着した業務を続けてきた。松田社長は「地域の人々が誇れる夢と希望にあふれたまちづくりをすることで、岡山に恩返しをしたいと考えています。杜の街グレースは、私たち両備グループの全てをかけての挑戦です」と訴える。岡山での滞在時間を増やし、岡山をより発展させていく〝人の暮らしの拠点〟となっていくことを大いに期待したい。