オーニット
香水の臭いを除去
特殊技術で差別化

2018年05月20日号

 オゾン関連商品製造販売のオーニット㈱(仁戸田昌典社長)はホテルに宿泊するインバウンド客の香水の臭いを除去する消臭補助剤を組み込んだ新技術を確立した。新技術は消臭補助剤とオゾン発生の空気清浄機の化学反応でバニリンといった香水成分を除去する。仁戸田社長は「新技術で特許も申請しており、これでオゾン発生装置の販売を3年後に3億円規模に押し上げたい」と話す。

剛腕アシストを発売

 光触媒は太陽光などに反応し消臭などの効果が表れるとされ、室内の利用には不向きだった。同社は科学系ベンチャーの希少金属材料研究所(玉野市)が開発した消臭補助剤とオゾン発生の空気清浄機とを併用。電灯でも反応する特殊な化学反応でオゾンだけでは除去できないベンゼン類を分解。香料成分のバニリンなども消臭できる。

 消臭補助剤は「剛腕アシスト」として4l入りは9800円、20l入りは3万9800円でホテルなどの施設向けに販売。仁戸田社長は「ホテルから外国人の香水の匂いに関する相談があり開発した。剛腕の販売も加速させたい」と話した。

エアフィーノもヒット

同社は1992年10月設立。資本金は5千万円、従業員は40人。年商は5億円(17年5月期)。昨年は経済産業省・中小企業庁主催の「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選出された。オゾン発生装置「剛腕」を主力に介護福祉施設向けのデザイン性の高いオゾン発生装置「エアフィーノ」も年間で1億円規模販売するヒット商材に育てた。また、オゾン発生機能の販売も行っている。

東京五輪開催でのインバウンド客の増加で国内のホテル業界は活況だ。東京都や大阪府だけでなく、地方にも波及しており、同社が製造販売する脱臭機能のオゾン関連商材は追い風が吹いている。「剛腕」の販売は3―4割はホテル向けで、剛腕アシスト投入での付加価値で販売を加速させる。

 同社はオゾンと消臭補助剤の複合での消臭機能で特許を申請しており、特別な化学反応機能を武器に「剛腕」の販売を3年後に1億円上積みさせる計画。

東京五輪後にも期待

 ホテル業界は東京五輪開催を機に日本に興味を持った外国人が五輪開催以降も旅行を楽しむケースがあると期待感が広がる傾向にあり、同社でもオゾン発生装置「剛腕」の提案を強化。

 仁戸田社長は「剛腕アシストは展示会に出展しアピールを進めており、特異な技術で他社と差別化したい。新サービスを武器に東京都や大阪府含め、全国のホテルに売り込みたい」と話した。

オーニット㈱

赤磐市桜が丘東3―3―765

電086・995・9155